「二度目のリンクス」 - アイルランド編 3. アイルランドのロイヤルドーノック Ballyliffin Golf Club -

アイルランドのリンクスをインターネットで色々と調べてていて感じたのは、日本語ページではほとんど出てこない事。出て来ても、Ballybunion とかRoyal County Downとかの有名どころを、アイルランドの「名門」ゴルフ場として紹介していたり、その様な「名門」コースに実際に行ってプレーした紀行文しか見つからない。なかなか情報がないのです。そこで頼りにするのは、山口信吾さんをはじめとするリンクス教の伝道師の方々の書籍です。「リンクスランドより」の永井淳さんもその一人。「リンクスランドより」で、1992年に永井さん他3名が日本人として(おそらく)初めて参加した、世界からアマチュアゴルファーが参加するヨーロッパ最大のアマチュアゴルフ大会、The Causeway Coast Amateur Golf Tournament は、昨年記念すべき第50回目が開催され、2018年は6月3日から9日(妙に長いなあ)に開催されます。ヨーロッパ最大のアマチュアゴルフ大会と言っても、プロと同じ様にゴルフばっかりしている名ばかりのアマチュアが出る大会ではなく、どうやら本当の素人の大会の様で、世界からダッファー達(失礼)が集まってきます。ステーブルフォード方式でスコアがつき、かつハンデ戦です。以下の4コースで、4日間、4ラウンドするとのこと。私でも世界チャンピオンになれるかも知れないという、夢の様な大会ですね。一人じゃ心細いので、誰か一緒に出てくれる人いませんでしょうか?

1. Castlerock Golf Club (Mussenden Links)
2. Royal Portrush Golf Club (Valley Links)
3. Ballyliffin Golf Club (Old Links)
4. Ballycastle Golf Club (The Warren Links)

来年The Openが開催されるRoyal PortrushはDunluceコースの方なので、コースは違いますがが、Portrushを含めてどこも良さそうなコース。パッケージがあって全部で579ポンド(約9万円)から。間に1日休みがあり、宿泊(朝食付き)6日分や、パーティー代、練習場代等がついているので、よくよく計算すると結構お安い気がします。参加条件は良くわからなかったけれど、International Handicapを持っていれば、どこの国からでも参加できるみたい。しかし、「リンクスランドより」には、参加条件としてオフィシャルハンディキャップ18というのがあったので、これが最近の低調っぷりからするとそろそろやばくて、私はあと半年もすれば門前払いになりそうな状況です。こういうのに参加して世界のダッファーたちと触れ合うのも、それはそれで楽しそうだし、リンクスを愛するゴルファーにとって必要なことかも知れません。しかし、日本語ですらトークが苦手な私には、一人で参加するのはちょっと敷居が高いなぁ・・・。そういえば、私の今回のリンクス再訪の目的は人と競うことではない、アイルランドのゴルフの魂を探しに行くんだった、というたわ言を都合よく思い出したので、Causeway Coast Amature Golf Tournament参加は、涙を飲んでパスしよう。

ゴルフの魂はともかく、Bushfootゴルフコースを後にした私は、Royal PortrushのDunluceコースを横目で見ながら通り過ぎ、北アイルランドアイルランドの国境も何もなかったかの様に通り過ぎます。アイルランドに入ってからは北上して向かったのは、Causeway Coast Amature Golf Tournamentのコースにもなっている、Ballyliffin Golf Club (バリーリフィンゴルフクラブ)です。Bushfootからの道のりは101kmということなので、多分2時間もあれば着いちゃいます。「リンクスランドより」には、エールのhidden gem(隠れた宝石)とか、アイルランドのロイヤルドーノックだとか言われていたが、それは1992年ごろのお話。今や隠れた宝石もすっかりベールを脱ぎ、アイルランドの有名コースの一つとなりました。1993年ニック・ファルドがプレーしてその素晴らしさを称賛したことがきっかけで有名になったとのこと。2018年にはIrish Openが開催されます。ちなみにエールとは、アイルランド語アイルランド(こっちは英語)のことです。
2006/2007年版PEUGEOTのEurope’s Top 1000 Coursesでは、プレーフィー65€でしたが、10年経った今160€ (
Glashedy Links) まで上昇していました。2万円越えですね。高いですね。バブル怨めしや。果たしてコースやコースの周りの土地や街の方はどうだろう、ゴルフバブルによっても浮かれることなく、もはやhidden ではないにしろ、gemのままであってほしいですが。



コースは、ファルドが称賛したOld Courseとその後の隆盛に伴って拡張されたGlashedy Linksという二つの18ホールコースが有ります。Old Courseとは言っても、第2次大戦直後の1947年ということで、1800年代がずらりのリンクスコースの中では新しい方。さらに新しく1995年設立のGloshedy Linksの方がコースとしての評価が高い様で、プレーフィーも高い。写真を見たところでは、ワイルドなリンクスコースで、そそられますね。アイルランドのコースを調査していて思ったのは、スコットランドと違って結構新しいコースの評価が高いということです。あくまでゴルフコースとしての評価ですので、その街や人とのつながりや、雰囲気まで評価されているわけではないとは思いますが、アイルランドのゴルフバブルに乗って、最近のゴルファーの好みに合わせて作られたコースが、最近のゴルファーの高評価につながっているという、いわゆるマーケッティングってやつの成果か、それともアイルランドの文化や風土がそういうコースを生むのか、プレーして感じてみましょう。できれば、Old CourseとGlashedy Linksと両方プレーして比べてみたい。

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(クレーターがいっぱい。ここは月面か? Ballyliffin Golf Club HPより)