「二度目のリンクス」 - アイルランド編 5. レジェンド達の遺産 Rosapenna Hotel & Golf Resort -

10年前スコットランドを旅した時には、私のような輩でもOld Tom MorrisJames Braid、というリンクスゴルフ界のレジェンド達が設計したコースで、ゴルフの歴史を感じながらプレーができたというのは大きな喜びでした。羊飼い達が石ころをうさぎの穴に入れて遊んでいた事から始まったと言われるゴルフ。その後、特に日本やアメリカでは、金持ちの道楽の様に扱われることも、実際にその様に利用されていることも多々ありますし、ゴルフの精神は時が経つにつれ、また世界に広がるにつれて失われていっている(変わっていっているというべきかもしれませんが)ことは間違いありません。しかし、ゴルフ発祥の地では、かの福沢諭吉先生も唱えた様に、天はゴルファーの上にゴルファーを作らず、ゴルファーの下にゴルファーを作らず、という精神は今も根付いている様に感じました。階級制度が根強く残っているイギリスで不思議な感じです。イングランドでゴルフしていないので良くわかりませんが、スコットランドはやっぱりイングランドとは違うのかな?

そのリンクスレジェンド達の中でも特別な一人Old Tom Morrisが、アイルランドに渡って設計したコースがありました。Rosappena (ロサペナ)です。アイルランド北部ドニゴール地方の景色を楽しみながらドライブしていたOld Tom Morrisが、この場所がリンクスコースにうってつけである事を発見。1893年にOld Tom Morrisの設計によりリンクスコースが誕生しました。その後1906年に、John Henry Taylor とともにゴルフ界の3巨頭(The Great Triumvirate)と讃えられたJames BraidHarry Vardonが、なんと一緒になってコースに手を加えています。Old Tom Morrisが考えた自然のグリーンはそのまま残し、距離を伸ばしたりバンカーを追加したりしました。しかしこれだけで終わらず、さらに1911年、「近代ゴルフコース設計の開祖」、Royal Portrushも設計したHarry Coltによって変更が加えられています。これだけのビッグネーム達の手が入ったコースって他にあるのでしょうか?これはもう行くしかない(ゴルフの魂はどうした)。Rosapennaには18ホールのコースがいくつもありますが、Old Tom Morris と呼ばれるコースが最初にできたコースです。ただし、オリジナルのバック9ホールは、2009年に新たに作られた9ホールに取って代わられ、オリジナルは練習用の9ホールコースとして使用されている模様です(練習用の9ホールって何だ?HPの英語がよくわからんので少々違うかもしれません。)。

Rosapennaは他にもコースがあって全部で81ホールもあるそうです。その中で、もう一つのメインコースがSandy Hills Linksという2003年にできた新しいコースです。こちらはヨーロピアンクラブも設計しているPat Ruddy作です。さらに、隣にあったSt. Patrick’s Golf Links(36ホール)を購入し、それをJack Nicklausが再設計したそうです。もうコースがいろいろありすぎてなんだかわけがわかりませんが、そんな最近の状況からもわかる様に、RosapennaはGolf Resortという名前の通り、リゾート地のリゾートコースとして運営されている様です。となると、Old Tom Morris, James Braid, Harry Vardonを感じてプレーできる様なコースなのか、という不安もなくはないですが、実際にプレーして感じてみましょう。

Portsalonから21kmなので、30分もかからないで到着。海を渡る橋があるので、入江に沿って遠回りという事なく行けます。体の方に余裕があれば、1日でPortsalonとRosapenna Old Tom Morris コースで2ラウンドするという手もありますね。Old Tom Morris コースのプレーフィーは、ピーク時間を外してオンライン予約をすれば、85ユーロ (11,500円程度)です。新しい方のSandy Hill Linksコースも同額です。

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(Rosapenna Hotel & Golf Resort HPより)

ブッシュだらけですなあ。ボールをたくさん持っていかないと。