ノースベリック ウエストコース (North Berwick Golf Club) - 歴史に思いを馳せて -

とても美しい街、スコットランドの首都エジンバラから東に車を走らせると、次々と有名なリンクスコースが現れます。
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(丘の上からエジンバラの街を望む)

競馬場とゴルフコースが一体になっているマッセルバラ。今は競馬場優先といった感じでしょうか、レースコースの柵に囲まれた9ホールのコースになっていますが、マッセルバラリンクスは世界最古のゴルフ場であり、その昔には全英オープンもたしか6回開催されています。
続いて車はガランの丘の下を通り抜けて行きます。車窓からは、300年超の歴史を誇るガランゴルフクラブの17番ホールでしょうか、丘の下のグリーンに向けて丘の上からショットをしているゴルファーの姿が見えます。
続いて、全英オープン開催コースの常連、名門ミュアフィールドを通り過ぎてしばらく車を走らせると、小さなリゾートタウン、ノースベリックの街に入ります。

ゴルフ場を発見するのに少々時間がかかりましたし、ゴルフ場の駐車場なのかどうか良くわかりませんでしたが、ゴルフコースの脇の駐車場らしきところに車を止めてなんとか到着。
ノースベリックゴルフクラブ エストコースは、全英オープンチャンピオンであり数々の名リンクスコースの設計者としても歴史に名を残しているオールドトムモリスとその息子で若くして4年連続全英オープンを制したヤングトムモリス親子が、第1回全英オープンチャンピオンのウイリー&ムンゴ・パーク兄弟と対決したコースで、日本で言えば宮本武蔵佐々木小次郎が対決した巌流島のようなコース(?)です。その後のヤングトムモリスの悲劇もこのマッチの最中にもたらされた連絡から始まっています。

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(120年くらい前、ヤングトムモリスは妻の難産の知らせを聞いて、マッチの途中急遽船でこの海の対岸、セントアンドルーズへ戻りました。)

ここには他にも見所満載です。まずは、石垣。所々フェアウエーを横切る石垣を超えつつショット。13番に至っては、グリーンとフェアウエーが石垣で隔てられています。その石垣にかけられた看板には、”Don't argue with the wall – it's older than you.”「石垣と議論するな。石垣の方が年上なのだから」の、お言葉が。

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(13番パー4。石垣を挟んで左がフェアウエー、右がグリーンです。)

15番は世界的に有名なレダンと名付けられたパー3で、大きくて斜め奥へ向かって傾斜している砲台グリーンは世界の他の多くのコースで真似されています。
海の景色も美しく、石造りのクラブハウスは歴史を感じさせるとても立派なものです。コースは全英オープンの予選会のコースにもなっており、難関コースであるのは言うまでもありません。

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(18番グリーンとすぐ近くにあるクラブハウス)

どこのリンクスコースでもそうですが、ゴルフコース内には海に出られる様に公道が通っており、散歩したりしている一般人が横切ります。通り過ぎるのを待ってからショットしないといけないのですが、おばちゃんたちは知り合いとすれ違ったりたりすると、途中で止まって喋りだします。世界共通と言えば世界共通ですが、ゴルフ場でのそんな状況に慣れていないこちらは、イライラの末とんでもないミスショットに襲われます。この日は好天で風も弱く気持ちよくまわっていて、13番も15番もパーであがってスコアも良かったのですが、16番でのおばちゃん達のおしゃべりに耐えきれず、コース脇のホテルの庭に一発打ち込んでしまった後はミス連発でした。まだまだ修行が足りません。ゴルフの歴史を感じつつも、自分自身の度量の小ささという現実も実感したラウンドでした。もう一度チャレンジしたいコースです。

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(最後18番ティーインググラウンドからノースベリックの街を望む。向こうのちっちゃい山がノースベリックの街の目印になりました。)