リサ・エクダール

ヘルシンキでコンサートに行ったスウェーデン人の歌手、リサ・エクダールについて調べてみました。25年のキャリアを持つポップス、フォーク&ジャズシンガーです。長いキャリアがありますし、北欧では名の知れた存在だと思いますが、日本には来た事はない様なので、コンサートに行った事がある人は日本にはあまりいないかも知れませんね。CDは日本でも発売されています。何枚かアルバムを聴いてみましたので紹介しましょう。

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1枚目は、22歳の時のデビューアルバム、アルバム名Lisa Ekdahlです。1994年作で、スウェーデン語で歌っています。

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北欧ジャズを探していて発見したLisa Ekdahlですが、ジャズはどちらかというと本流ではなく、ポップス中心のキャリアを送っています。そしてプロとしてのデビューはフォークシンガーで、このデビューアルバムで一躍認められました。おそらく今も、スウェーデン人にとってはこのころのLisa Ekdahl こそが本当のLisa Ekdahl なんだろうと思います。

本アルバムの中の8曲めのVem vetがシングルとして80万枚のセールスをあげて、このアルバムで彼女は、新人ながら1994年スウェーデングラミー賞3部門同時受賞(年間最優秀アーティスト賞、年間最優秀女性ポップ・ロックアーティスト賞、年間最高売り上げアルバム賞)しました。人口を考えると80万枚ってすごいですね。スウェーデンではもちろんノルウェーでもチャート1位になっています。アルバムジャケットではギターを弾いていますが、曲もアコースティックギターを使った曲が多く、Nordic folk songとも言え、Vispop(スカンジナビア民謡?)とカテゴライズされている時もあります。アコースティックギターはVem vet 25周年ツアーのコンサートでも時々弾いていました。ツアーに名を関するのですから、これが代表曲と言って良いでしょう。Lisaさんは作詞作曲もするので、最新アルバムMore of the godは全曲自身の作詞作曲の様ですが、このアルバムがどうなのかはよくわかりません。スウェーデン語はさっぱりわからないので、調べてもわかりませんでした。翻訳ソフトもわけの分からない訳をしてくれるので、スウェーデン語読んでるのとあまり変わりませんし。流行りのAI もまだまだですね。

 

あまり紹介になっていない様な感じもしますが、2枚目は初のジャズアルバム、when did you leave heavenです。Jazzスタンダードを中心に歌っていると思います。1995年となっている資料と1997年となっている資料があります。
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初の英語でのアルバムのはずです。そして最初のジャズ系アルバムです。Lisa Ekdahl & Peter Nordahl Trioのクレジットになっています。18歳でストックホルムに移った後からこのTrioとフランスなどで歌っていたようです。ジャズ風のアレンジで、ピアノ、ドラム、ベースを使った曲で出来ていますが、このピアノ、ドラム、ベースがPeter Nordahl Trio ですね。ジャズでもチャイルドボイスは健在です。さらに囁くような歌い方で、Jazzなのに決してスウィングしないところが北欧らしい気がします。しかし結構このジャズの歌唱いけていると思います。私のイメージ的には北欧ジャズヴォーカルのイメージそのものです。が、コンサートでは残念ながらジャズ系の曲は少なかった。やっぱりジャズシンガーというよりも本業はフォーク、ポップスシンガーで、本国ではそちらで認められているのだと思います。

チャートインはスウェーデン(25位)、ノルウェー(35位)、フランス(96位)で。やっぱりフィンランドはヘビメタだな。

因みにジャケットが3種類あるみたいです。3つのレコード会社から発行されたのでその違いかな?本アルバムはなんと11のバージョンがある模様です。

 

3枚目もジャズアルバムです。1998年の作品、back to earthです。英語です。
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思わずジャケ買いしてしまったスウェーデンのおじさんもいた事でしょう。当時27歳。これもジャケットが2種類ありますが、このジャケットが売れそうですね。私はフィンランドのおじさんになりたいのですが、スウェーデンのおじさんも良さそうです。

フィンランドのおじさんになる方法

このアルバムも、Lisa Ekdahl & Peter Nordahl Trioのクレジットで、内容は「When did you leave heaven」から繋がるジャズ系の曲でできたアルバムですが、前作よりもジャズとしてより洗練された感じがします。ここまで聞くともうこの特別な声にも慣れてきた事でしょう、声だけ聞けば誰だかすぐわかりますよね。私はこのアルバムも好きですね。ジャケットだけじゃないよ!

チャートは最高スウェーデン10位、フランス49位という事で、前作を上回っている。ジャケ買いのおじさん達が貢献していますね。

 

さて4枚目は、2001年の作品、Lisa Ekdahl sings Salvadore Poeです。これも英語です。
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まずは、Salvadore Poeというのは何者か?という疑問を日本人なら誰もが持つでしょう。有名な人かどうかはよくわかりませんが、Lisaさんの2番目の旦那さんの様です。ニューヨークに住んでいた時にインド行きの飛行機で出会ったという、アメリカの作曲家かつギタリストらしいですが、本アルバムは全曲がSalvadore Poeの作品の様です。因みに一人目の旦那さんはBill Öhrströmというスウェーデンの歌手で、1994年には一人目の子(息子)を産んでいます。さらに因みに、2005年には1999年から6年続いたSalvadore Poeさんともお別れになって、2012年に41歳で二人目の子(娘)を産んだ様です。現在のパートナー(?)はMathias Blomdahlというスウェーデンの映画音楽家だそうですので、多分その人との子供でしょう。2018年の最新アルバムMore of the Godもその人との共同作業により作成されたとの事。

本アルバムはノルディックフォーク調だった、ジャズ系2枚を除いた今までのアルバムと比べてポップになっていて聴きやすいです。ジャズっぽところもあって、スウェーデン人ではない私の様な外人には、こっちの方が結構イイです。ホームページにはボサノバアルバムと紹介されていますので、ジャズ系2枚のアルバムの延長線で考えた方が良いアルバムかもしれません。でも北欧調が薄れているのは間違いないですね。ボサノバだしまあアメリカ人の曲ですから仕方ないですが。あの声や歌い方は全く変わっていませんので、Lisa Ekdahl初心者の方にも入門用によろしいかと思います。

チャートは、スウェーデンで20位、ノルウェーで11位、デンマークで31位、フランスで30位になっています。

これ以降のアルバムでは、このアルバムの影響か、ノルディックフォークの感じよりももうちょっとポップな感じのアルバムが増えていきます。